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図書館つばめ

図書館につばめがやってきた。
気候がいいので、玄関の自動ドアを開け放していたその隙に、奴は入ってきた。

実は今年3度目。
一度目は、自動ドアをすり抜けてやってきた。
その日は、とうとう出られず、図書館にお泊まりとなった。
本の上に糞を落とされてはいけないので、新聞紙でカバーして私たちは帰宅した。

翌日は天気が悪くなり、低く飛び始めた奴は、なんとか出口を見つけて脱出していった。

急遽、ドア付近につばめ避け対策のヒラヒラを設置。
ヒラヒラというのは、紙を細長くカットしたものを吊り下げるという
原始的なものだけど、ここ数年効果があったので、
よし、これで大丈夫と誰もが思っていた。

そして気を抜いて、ドアを開放していたら、また入ってきたのだ。
2回目は、その日のうちに出て行ってくれたので、
事なきを得たが、それでもドアを開け放し続けていた私たちの方が愚かだったのか、
数日後、彼はまた入ってきたのだ。
いや、彼なのか彼女なのかは知らないけれど。

この図書館の建物は平家だが、
ちょうど鳥が翼を広げたような形で、
中央の玄関ホールを挟んで右の翼が成人の本、左の翼が児童の本という並びだ。
胴体にあたる玄関ホールは吹き抜けのようになっていて、天井がものすごく高い。
その上、頭としっぽになる部分が大きなガラス張りで、
とっても明るいのだ。
ガラス一枚を隔ててはいるが、もう、そこは大空へつながっているかのような錯覚に、
陥ったとしてもおかしくないくらい明るいサンルームのような場所だ。
その上、図書館内には窓がほとんど無い。
有るのは翼の先にあたる付近の低い位置に風通しの為の小さな窓が有るだけで、
つばめが飛びながら出ていけるような高さが無いのだ。

そのうちに
早く出て行ってくれと願う図書館員の気持ちを逆なでするかのような事が起こった。
2羽目が入ってきたのだ。
ええっ、あれはまさかのつがいではないのか?
開け放されたドア、自由に飛び回れる吹き抜け、カラスは追ってこない、
今頃、新居はここにしましょうかと相談でもしているんじゃないかと疑いたくなる状況になってきた。
これはまずい。

そのうえ、吹き抜けからポトポト落ちてくるものが…。
床のあちこちに、怪しい汚れを見つけては、拭き取りに走る職員たち。
2羽分となると、量も倍。当たる確率も倍。
カウンターで本の返却をしていた私の頭にも命中。
うんがついたと喜ぶべきなのか。笑


もうどうしようもないなと、半ば諦めムードになってきた頃、
一羽がサーッとドアから出て行った。
もう一羽も続くのかと思ったが、全く気配はなし。
もしかして振られてしまったのだろうか。


とうとう、閉館の時間になっても、1羽は残ってしまった。
もう仕方がないとまた本に新聞紙を掛けた。
それでも出て行かせようと、
閉館後に虫網に竹の棒を刺して長くしたもので追いかけまわしていた職員が、
つばめを事務所内に追い詰めた。
事務所は天井も低く、裏口のドアもある。
疲れたつばめはもう高く飛ぶ元気が残っていなかったようで、
追い詰めた者の話によると、低く飛ぶというより、床に落ちていく感じだったという。

狭い事務所で何人かの人間に追い込まれたつばめは、
とうとう裏口から外に出る事が出来たのだった。

やれやれ。

しばらくドアの開け放しはやめておこう。





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by senbe-2 | 2016-05-10 21:02 | 生活 | Trackback | Comments(4)

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