ミツバチの羽音と地球の回転 観てきましたよ

映画の舞台は山口県、瀬戸内海に浮かぶ祝島。
対岸の上関町田ノ浦に原子力発電所の建設計画がある。
原子力発電所が建設され、稼働すれば、放射能の汚染の心配もあるが、
海水温度上昇により生態系の変化、工事による環境破壊が予想される。

現在稼働している他の原子力発電所の例をみると、
まず、藻類が採れなくなり、貝がいなくなる。
魚は寄り付かなくなる。目に見える変化だけでもはっきりしている。
でも、漁師たちは何も言えない。
なぜなら、補償金をもらってしまったから。

この上関町でも補償金を受け取っているひと、いない人で、
町は線が引かれた様に分断されてしまったようだ。

補償金を受け取っていない祝島のひとたちは、
過疎とよばれる島で魚を捕り、米を作り、くだものを育て、豚を飼い、
それを売ることで暮らしを立てている。
原子力発電所に頼らない持続可能なエネルギーについても模索中だ。
過疎化が進んでいるというその島の暮らしは、決して貧しいものではない。
自然の中にお宝が満杯に埋まっているような贅沢な暮らしなのだ。

映画ではもう一つの舞台、スウェーデンが紹介される。
28年前に化石エネルギーに頼らない社会を作ると決めた町の現状が紹介される。
風力発電は勿論、廃材でお湯を沸かし各家庭に供給し暖房に利用する施設の建設、
工場で発生する熱を利用するインフラの整備、家畜の糞尿を使ったガスで走る公共交通機関の整備、
などなどいろんなアイデアがある。
日本のえらい人たちも多分こんな知識は全部知っているのだろうけれど、
実現しないのはどうしてなのかしら。
誰かがやってくれると思っているからかもしれないし、
そんなことをしたら、儲からない人がいるからかもしれない。

印象的だったのは、スウェーデンで自然エネルギーへの転換に尽力され、
今や世界各地でアドバイザーをされている人が言ったこと。
「日本は火山があり、森林がある。
自然エネルギーになる資源がいっぱいあるじゃないか。
それを利用しないのはもったいないね。」

そうなのか、できるのか、日本でも、この村でも、
やる気があれば、現状をかえることはできるのか・・・。

ふと、自分のまわりを見回してみる。
田舎には仕事がないという。
仕事って何だろう。
大きな会社で雇ってもらって与えてもらう仕事なのか。
それなら、やっぱり田舎に仕事はない。
でも、やることはいっぱいある。
地域単位で小さなエネルギーをつくる仕事、
海の恵み、山の恵みをいただいて町の人に届ける仕事、
田舎だからできる仕事があるし、
日本の田舎に必要なのはそういう仕事かもしれない。

原発推進派か脱原発派かという悲しい対立を早く乗り越えて、
みんなで真剣に近い将来の暮らしを考えたい。

補償金を受け取れば、自分たちの代の暮らしは楽になる。
でも、それを受け取らずに未来の子どもたちに豊かな自然を残そうと
踏ん張っておられる祝島の人達を私は応援したいと思う。

鎌仲ひとみ監督、かっこええ人でしたよ。
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Commented by saudade_55 at 2010-06-29 13:09
「ミツバチの羽音と地球の回転」 是非見たいと思いました。私は環境問題は非常に大事だと思っているけれど、日々の生活の中では、ついその感覚が薄れてしまうんです。
鎌仲さんの作品は実は一度も観たことがないのですが、「六ヶ所ラプソティー」も「ヒバクシャ」も観たいなと・・・
私の町の近くでは公開予定がないようです。普通の映画館で上映しないのは、何か理由があるのでしょうかねぇ?映画をあまり観て欲しくない大きな会社の圧力とか??
とりあえず、わたしもローカルなイベント情報に耳を澄まし、機会を逃さないようにしなければいけませんね。
senbeさん、とても素敵はブログありがとうございました!
Commented by senbe-2 at 2010-06-29 20:14
saudade55さん、
fegefieldさんとおよびしていましたが、saudade55さんの方がいいかな?

鎌仲さん、昔はNHKでドキュメンタリーを作られていたそうです。
テレビというメディアの限界を痛感して、NHKをすっぱり退社されたのです。監督のお話を伺って、覚悟が違うなって思いました。

案外近場でもいろいろなイベントがありますね。
情報を仕入れる為に、そこそこアンテナを張り巡らせないといけないなって思います。意外に近くに同じ様なことに興味を持っている人がいたりして、おもしろいものです。
Commented by L3M0N at 2010-07-01 00:53
そういえば、あたしも10年以上前になるけど、こっちのジル君のおじさんに、日本は火山があるのに、どうしてそれを大々的にエネルギーに使わないの?ってきかれたことがあって、返答に困りました。
当の日本じゃそんなことあんまり耳にしないものね。

資本主義に踊らせれてる現状では、お金の考え方とかが完全に洗脳されちゃってるからむずかしいかもしれないね。

日本は世界でも指折りの原発の国だから、それを変えていくのはなかなか骨が折れるだろうけど、スウェーデンとまず人口と消費電力に違いがありすぎるからちょっとむずかしいかもしれない。
ハイテク日本と、エコおたくなスウェーデン。
世帯辺りの消費電力だけでなく、人口も雲泥の差があるからね。

でもこうやって地道にこつこつと活動をしてるひとから、いい影響を受けて、少しずつみんなの意識がいい方向へ変わって行けるとすごくいいと思う。
コメント、前に書いてたのだけれど、夜に途中で力尽きて残せなかったのだよ。
とほほ。
Commented by senbe-2 at 2010-07-01 13:43
レモンちゃん、
ああなるほど、人口と消費電力の差ね、確かにあるだろうね。
日本もせめて20年くらい前の生活ぐらいだと、
なんとかなったかもしれないなあ。
でも、大々的には無理でも、小さな小さな単位で始めるならできそうな気がしないでもない。ただ誰がやるのかってことなんだけど・・・。

この先豊かに暮らす方法は自然のなかで自然に逆らわず、自然の循環の中に身を置いていくしか方法はないと思うのだよね。
これしか方法がないならみんなやると思うんだけどなあ。
by senbe-2 | 2010-06-26 23:06 | 映画 | Trackback | Comments(4)

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